架設桁による橋梁主桁の架設方法および架設桁の横取り機構【Patent5203662】

特許5203662

特許5203662


(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
 橋梁が拡幅する区間においても、長さ、架設スパンおよび角度が異なる隣り合う複数本
の主桁を橋脚上に設けた横取り機構を用いて、吊下げ方式架設法で架設できるようにする
ための橋梁主桁の架設方法であって、前記橋脚上に複数並列配置した複数のベントと、前
記複数のベントの頂部間に架け渡した形鋼からなる仮設横梁と、前記仮設横梁上に設置し
た横取りレールと、橋脚または橋台間に架け渡される架設桁を支持した状態で前記横取り
レールに沿って車輪で走行する台車と、前記台車の上面と前記架設桁の下面との間に設置
され、前記架設桁を載置した状態で、架設桁の支持点を架設桁軸方向および該架設桁の他
端の支持点を中心とする回転方向にスライド可能とするすべり支承とを備える架設桁の横
取り機構を、隣り合う橋脚上に設け、前記橋脚または橋台間に架け渡した架設桁によって
主桁を吊支持した状態で、前記台車を前記横取りレールに沿って走行させ、橋梁の拡幅す
る区間においても、長さ、架設スパンおよび角度が異なる複数本の主桁を並列させて架設
できるようにしたことを特徴とする架設桁による橋梁主桁の架設方法。
【請求項2】
 橋梁が拡幅する区間においても、長さ、架設スパンおよび角度が異なる隣り合う複数本
の主桁を、吊下げ方式架設法で架設できるようにするための架設桁の横取り機構であって
、橋脚上に複数並列配置した複数のベントと、前記複数のベントの頂部間に架け渡した形
鋼からなる仮設横梁と、前記仮設横梁上に設置した横取りレールと、橋脚または橋台間に
架け渡される架設桁を支持した状態で前記横取りレールに沿って車輪で走行する台車と、
前記台車の上面と前記架設桁の下面との間に設置され、前記架設桁を載置した状態で、架
設桁の支持点を架設桁軸方向および該架設桁の他端の支持点を中心とする回転方向にスラ
イド可能とするすべり支承とを備えることを特徴とする架設桁の横取り機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
 本発明は、PC桁などの橋梁主桁の架設を、架設桁(エレクションガーダー)により吊
り下げて行なう架設方法および架設桁の横取り機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
 架設桁による橋梁主桁の架設方法としては、上路式架設法、抱込み式架設法、吊下げ式
架設法などがあり、このうち吊下げ式架設法に関しては、例えば特許文献1∼4に記載さ
れた発明がある。
【0003】
【特許文献1】特開平06−193017号公報
【特許文献2】特開平07−054315号公報
【特許文献3】特開平09−256323号公報
【特許文献4】特開平11−081244号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
 吊下げ式架設法において、複数の橋梁主桁を橋脚間あるいは橋台と橋脚間(以下、簡単
のため、橋脚間として説明する)に架設する際、並列する橋梁主桁を、順次、横方向に移
動させる横取りの方法として、橋脚間に架設した架設桁を、橋脚上に設置したベントなど
の上部に橋軸方向と直交する方向に敷設した横取りレールとレールに沿って移動する重量
台車で支持し、橋梁主桁を吊り支持した架設桁ごと横移動させるようにすれば、橋梁主桁
を仮置きしたり、他の支持装置に盛り替えることなく、架設を行なうことができる。
【0005】
 しかしながら、橋梁が拡幅する区間(図1参照)や曲線区間では、隣り合う橋脚の橋軸
と直交する方向が平行でないため、並列する橋梁主桁の長さ、架設スパンおよび角度が異
なっている。
【0006】
 その場合、拡幅や曲線の角度がわずかであればある程度ベント部分で対処させることも
考えられるが、無理に横取りするとベントの負担が大きくなり、並列する橋梁主桁どうし
の寸法差が大きいと、実質的に横取りが不可能となる。
【0007】
 本発明は、このような課題の解決を図ったものであり、吊下げ式架設法において、橋梁
が拡幅する場合や曲線区間がある場合でも、架設桁の横取りにより並列する橋梁主桁の架
設を容易に行なうことができる橋梁主桁の架設方法および架設桁の横取り機構を提供する
ことを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
 本願の請求項1に係る架設桁による橋梁主桁の架設方法は、橋梁が拡幅する区間におい
ても、長さ、架設スパンおよび角度が異なる隣り合う複数本の主桁を橋脚上に設けた横取
り機構を用いて、吊下げ方式架設法で架設できるようにするための橋梁主桁の架設方法で
あって、前記橋脚上に複数並列配置した複数のベントと、前記複数のベントの頂部間に架
け渡した形鋼からなる仮設横梁と、前記仮設横梁上に設置した横取りレールと、橋脚また
は橋台間に架け渡される架設桁を支持した状態で前記横取りレールに沿って車輪で走行す
る台車と、前記台車の上面と前記架設桁の下面との間に設置され、前記架設桁を載置した
状態で、架設桁の支持点を架設桁軸方向および該架設桁の他端の支持点を中心とする回転
方向にスライド可能とするすべり支承とを備える架設桁の横取り機構を、隣り合う橋脚上
に設け、前記橋脚または橋台間に架け渡した架設桁によって主桁を吊支持した状態で、前
記台車を前記横取りレールに沿って走行させ、橋梁の拡幅する区間においても、長さ、架
設スパンおよび角度が異なる複数本の主桁を並列させて架設できるようにしたことを特徴
とするものである。
【0009】
 本発明は、吊下げ式架設法において、橋梁が拡幅する場合や曲線区間がある場合など、
並列する複数本の橋梁主桁について、その長さや架設スパン、角度が異なる場合でも、架
設桁を支持するベント等に負担をかけることなく、橋梁主桁を吊り支持したままの状態で
架設桁を横取り移動させ、橋梁主桁を安価に、かつ安全、迅速に橋脚間に架設できるよう
にしたものである。
【0010】
 すべり支承は、従来、橋脚や橋台の橋梁主桁を受けるシュー(沓)部分などに用いられ
ているが、本発明では横取りの際、台車が橋桁の主軸に対し斜めに移動するのに対し、架
設桁とそれを支持するベント等との間に生ずる水平力を低減する目的で使用する。構造的
には橋梁のシューに用いられるすべり支承と同様のものを利用することができる。
【0011】
 すべり支承としては、すべり面をステンレス面とフッ素樹脂面で形成したものなどを用
いることができる。
【0012】
 ステンレス板の表面とフッ素樹脂コーティング面との間の低摩擦係数を利用したすべり
支承は、その性能が従来から確認されており、比較的容易に利用することができる。
【0015】
 本願の請求項2に係る発明は、上記請求項1に係る架設方法に適した架設桁の横取り機
構に関するものであり、橋梁が拡幅する区間においても、長さ、架設スパンおよび角度が
異なる隣り合う複数本の主桁を、吊下げ方式架設法で架設できるようにするための架設桁
の横取り機構であって、橋脚上に複数並列配置した複数のベントと、前記複数のベントの
頂部間に架け渡した形鋼からなる仮設横梁と、前記仮設横梁上に設置した横取りレールと
、橋脚または橋台間に架け渡される架設桁を支持した状態で前記横取りレールに沿って車
輪で走行する台車と、前記台車の上面と前記架設桁の下面との間に設置され、前記架設桁
を載置した状態で、架設桁の支持点を架設桁軸方向および該架設桁の他端の支持点を中心
とする回転方向にスライド可能とするすべり支承とを備えることを特徴とするものである

【0016】
 横取りレール、台車、すべり支承等は、架設方法に関して説明した通りである。
【発明の効果】
【0017】
 本発明によれば、吊下げ式架設法において、橋梁が拡幅する場合や曲線区間がある場合
など、並列する複数本の橋梁主桁について、その長さや架設スパン、角度が異なる場合で
も、架設桁を支持するベント等に負担をかけることなく、橋梁主桁を吊り支持したままの
状態で架設桁を横取り移動させ、橋梁主桁を橋脚間に架設することができる。
【0018】
 橋梁主桁を吊り支持したままの状態で架設桁を横取り移動させるので、主桁支持の盛り
替えを必要とせず、安価に、かつ安全、迅速に施工を行うことができる。
5203662-図1,2

5203662-図1,2


5203662-図3,4,5

5203662-図3,4,5

技術の一覧