プレキャストコンクリート桁に圧縮PC鋼棒を定着させるバイストレス工法【Patent4800777】

特許4800777

特許4800777


(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
 プレキャストコンクリート桁を予め複数のセグメント桁に分割して製作する際に、鉄筋
、引張鋼材用シース、圧縮鋼棒用角型鋼管を型枠内にセットし、この状態で型枠内にコン
クリートを打設して上記部材を埋設してセグメント桁を製造するセグメント桁製造工程と

 各セグメント桁をセグメント桁連結用台車上に載置して一連に配置し、隣り合うセグメ
ント桁を引き寄せてセグメント桁の端面を密着させるセグメント桁連結工程と、
 引張鋼材を引張鋼材用シース内に挿入すると共に、圧縮鋼棒を圧縮鋼棒用角型鋼管内に
挿入し、圧縮鋼棒用角型鋼管の内部に圧縮鋼棒の外周面により区画されたグラウト用空部
を形成するする挿入工程と、
 引張鋼材を緊張して定着する緊張工程と、
 圧縮鋼棒用角型鋼管の内面により座屈防止しながら圧縮鋼棒に圧縮力をかけて定着する
圧縮鋼棒圧縮工程と、
 前記グラウト空部内にグラウト材を注入するグラウト材注入工程と 
 を経て製造することを特徴とするプレキャストコンクリート桁に圧縮PC鋼棒を定着さ
せるバイストレス工法。
【請求項2】
 プレキャストコンクリート桁を予め複数のセグメント桁に分割して製作する際に、鉄筋
、引張鋼材用シース、圧縮鋼棒用角型鋼管を型枠内にセットし、この状態で型枠内にコン
クリートを打設して上記部材を埋設してセグメント桁を製造するセグメント桁製造工程と

 製造した各セグメント桁の圧縮鋼棒用角型鋼管内に断面が丸い圧縮鋼棒を挿入し、圧縮
鋼棒用角型鋼管の内部に圧縮鋼棒の外周面により区画されたグラウト用空部を形成する圧
縮鋼棒挿入工程と、
 圧縮鋼棒が挿入された各セグメント桁をセグメント桁連結用台車上に載置して一連に配
置し、隣り合うセグメント桁を引き寄せてセグメント桁の端面を密着させ、尚且つ、引張
鋼材を引張鋼材用シース内に挿入すると共に、圧縮鋼棒をカップラーにより連結するセグ
メント・圧縮鋼棒連結工程と、
 引張鋼材を緊張して定着する緊張工程と、
 圧縮鋼棒用角型鋼管の内面により座屈防止しながら圧縮鋼棒に圧縮力をかけて定着する
圧縮鋼棒圧縮工程と、
 前記グラウト空部内にグラウト材を注入するグラウト材注入工程と、 
 を経て製造することを特徴とするプレキャストコンクリート桁に圧縮PC鋼棒を定着さ
せるバイストレス工法。
【請求項3】
 前記セグメント桁製造工程において、仕切板を挟んで隣り合う両セグメント桁を製造す
る際、隣り合う両セグメント桁内にそれぞれ埋設する圧縮鋼棒用角型鋼管の先端を仕切板
の圧縮鋼棒用開口内に両側から嵌合して両方の圧縮鋼棒用角型鋼管の中心が一致する状態
で対向させ、この状態で型枠内にコンクリートを打設し、脱型後に圧縮鋼棒用角型鋼管の
突出先端を除去するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプレキ
ャストコンクリート桁に圧縮PC鋼棒を定着させるバイストレス工法。
【請求項4】
 前記セグメント桁製造工程において、仕切板を挟んで隣り合う両セグメント桁を製造す
る際、隣り合う両セグメント桁内にそれぞれ埋設する圧縮鋼棒用角型鋼管の対向する端部
にロート状の口金をそれぞれ固定し、一方の口金の拡径開口部を仕切板の一方の面に、他
方の口金の拡径開口部を仕切板の他方の面に両方の中心が一致する状態で当接し、この状
態で型枠内にコンクリートを打設することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
プレキャストコンクリート桁に圧縮PC鋼棒を定着させるバイストレス工法。
【請求項5】
 前記セグメント桁製造工程において、仕切板を挟んで隣り合う両セグメント桁を製造す
る際、先端に向かって縮径する傾斜案内面を外周に有する位置決め突起を仕切板の両面に
両方の中心が一致する位置に配置し、突起の先端を圧縮鋼棒用角型鋼管の端部の開口内に
嵌合して圧縮鋼棒用角型鋼管を位置決めし、この状態で型枠内にコンクリートを打設する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプレキャストコンクリート桁に圧縮P
C鋼棒を定着させるバイストレス工法。
【請求項6】
 前記セグメント桁製造工程において、仕切板を挟んで隣り合う両セグメント桁を製造す
る際、仕切板の一方の面に、先端に向かって先細りとなる位置決め凸部を成型する雌型を
設け、仕切板の他方の面に、底部に向かって幅狭となる位置決め凹部を成型する雄型を設
け、前記雌型と雄型との中心を一致させ、この状態で型枠内にコンクリートを打設し、
 セグメント連結工程で、隣り合うセグメント桁の端面を密着した状態で、前記した位置
決め凸部と位置決め凹部とが嵌合して両セグメント桁の位置合わせが行われるようにした
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプレキャストコンクリート桁に圧縮P
C鋼棒を定着させるバイストレス工法。
【請求項7】
 プレキャストコンクリート桁を製作する際に、鉄筋、引張鋼材用シース、圧縮鋼棒用角
型鋼管を型枠内にセットし、この状態で型枠内にコンクリートを打設して上記部材を埋設
する桁製造工程と、
 引張鋼材を引張鋼材用シース内に挿入すると共に、圧縮鋼棒を圧縮鋼棒用角型鋼管内に
挿入し、圧縮鋼棒用角型鋼管の内部に圧縮鋼棒の外周面により区画されたグラウト用空部
を形成するする挿入工程と、
 引張鋼材を緊張して定着する緊張工程と、
 圧縮鋼棒用角型鋼管の内面により座屈防止しながら圧縮鋼棒に圧縮力をかけて定着する
圧縮鋼棒圧縮工程と、
 前記グラウト空部内にグラウト材を注入するグラウト材注入工程と 
 を経て製造することを特徴とするプレキャストコンクリート桁に圧縮PC鋼棒を定着さ
せるバイストレス工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
 本発明は、橋梁などに用いられるプレキャストコンクリート桁に引張鋼材と圧縮鋼材を
配置するプレストレスコンクリート桁の圧縮PC鋼棒を定着させるバイストレス工法に関
するもので、主として、複数のセグメント桁(ブロック)に分割して製造されたものを現
場で接合して架設する工法に関する。
【背景技術】
【0002】
 桁架設現場付近の比較的狭い場所でプレキャストコンクリート桁を製造できる工法とし
ては、桁を複数のブロックに分割して成型し、これを接合する工法が提案されている(特
許文献1)。この製造工法は、プレキャストコンクリート桁を予め複数のブロックに分割
して製作する際に、各ブロックに引張縁シースを配置すると共に、少なくとも中間のブロ
ックにおける圧縮縁の所定位置に圧縮鋼棒を挿通した圧縮縁シースを配置し、この状態で
コンクリートを打設する。そして、この様にして製造された各ブロックを横方向に直列に
並べて配置し、その後で隣り合う一方のブロックを他方のブロックに向けて移動すると共
に隣り合うブロックの圧縮鋼棒をカップラーにより接続し、かつ隣り合うブロックを相互
に密着させ、次に、各ブロックの引張縁シース内にわたって挿通した引張鋼材を緊張定着
し、その後に圧縮鋼棒を押込定着するものである。
【特許文献1】特公平4−26659号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
 前記した製造工法における圧縮縁シースとしては、圧縮鋼棒の座屈を防止するために、
シース断面の縦方向および横方向に交互に一定間隔で楕円形に絞られた絞りシースを使用
する。そして、圧縮鋼棒の先端と後端には、カップラー接続するための雄ねじ部が形成さ
れている。
 このため、絞りシース内に圧縮鋼棒を挿通する際に、圧縮鋼棒の雄ネジ部のねじ山が絞
りシースの絞り部分の突出内面に次々と当りながら通過することとなってしまい、シース
の絞り部分を雄ねじ部で削って損傷する不都合が少なからず発生していた。特に、作業を
急ぐと損傷し易く、また、絞り部分との衝接によりねじ山も損傷することがあり、後に行
うカップラー接続作業で傷付いた雄ねじ部が雌ネジ部に円滑に螺合しないという支障を生
じることもあった。
 また、各ブロックを製造する際に、圧縮鋼棒を挿通した圧縮縁シースの端部開口には圧
縮鋼棒の端部が突出しているので、型枠にセットする際に突出した圧縮鋼棒の端部が邪魔
になるばかりでなく、シース内部にコンクリートが浸入しないように封止しなければなら
ないので、ブロック製造作業が煩雑であった。
 さらに、ブロックごとに圧縮鋼棒も複数に分割されており、これをすべてカップラーで
接続しなければならないので、この接続作業の労力も多大であった。
【0004】
 本発明は上記に鑑み提案されたもので、その目的は、圧縮鋼棒を挿通する際にシースの
内面や圧縮鋼棒の雄ねじ部を損傷する不都合を防止でき、また、ブロックを成型する際に
圧縮鋼棒がブロック成型作業の邪魔にならない、引張鋼材と圧縮鋼材を配置するプレスト
レスコンクリート桁の圧縮PC鋼棒定着工法の製造・架設工法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
 本発明は、前記した目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のも
のは、プレキャストコンクリート桁を予め複数のセグメント桁に分割して製作する際に、
鉄筋、引張鋼材用シース、圧縮鋼棒用角型鋼管を型枠内にセットし、この状態で型枠内に
コンクリートを打設して上記部材を埋設してセグメント桁を製造するセグメント桁製造工
程と、
 各セグメント桁をセグメント桁連結用台車上に載置して一連に配置し、隣り合うセグメ
ント桁を引き寄せてセグメント桁の端面を密着させるセグメント桁連結工程と、
 引張鋼材を引張鋼材用シース内に挿入すると共に、圧縮鋼棒を圧縮鋼棒用角型鋼管内に
挿入し、圧縮鋼棒用角型鋼管の内部に圧縮鋼棒の外周面により区画されたグラウト用空部
を形成するする挿入工程と、
 引張鋼材を緊張して定着する緊張工程と、
 圧縮鋼棒用角型鋼管の内面により座屈防止しながら圧縮鋼棒に圧縮力をかけて定着する
圧縮鋼棒圧縮工程と、
 前記グラウト空部内にグラウト材を注入するグラウト材注入工程と 
 を経て製造することを特徴とするプレキャストコンクリート桁に圧縮PC鋼棒を定着さ
せるバイストレス工法である。
【0006】
 請求項2に記載のものは、プレキャストコンクリート桁を予め複数のセグメント桁に分
割して製作する際に、鉄筋、引張鋼材用シース、圧縮鋼棒用角型鋼管を型枠内にセットし
、この状態で型枠内にコンクリートを打設して上記部材を埋設してセグメント桁を製造す
るセグメント桁製造工程と、
 製造した各セグメント桁の圧縮鋼棒用角型鋼管内に断面が丸い圧縮鋼棒を挿入し、圧縮
鋼棒用角型鋼管の内部に圧縮鋼棒の外周面により区画されたグラウト用空部を形成する圧
縮鋼棒挿入工程と、
 圧縮鋼棒が挿入された各セグメント桁をセグメント桁連結用台車上に載置して一連に配
置し、隣り合うセグメント桁を引き寄せてセグメント桁の端面を密着させ、尚且つ、引張
鋼材を引張鋼材用シース内に挿入すると共に、圧縮鋼棒をカップラーにより連結するセグ
メント・圧縮鋼棒連結工程と、
 引張鋼材を緊張して定着する緊張工程と、
 圧縮鋼棒用角型鋼管の内面により座屈防止しながら圧縮鋼棒に圧縮力をかけて定着する
圧縮鋼棒圧縮工程と、
 前記グラウト空部内にグラウト材を注入するグラウト材注入工程と、 
 を経て製造することを特徴とするプレキャストコンクリート桁に圧縮PC鋼棒を定着さ
せるバイストレス工法である。
【0007】
 請求項3に記載のものは、前記セグメント桁製造工程において、仕切板を挟んで隣り合
う両セグメント桁を製造する際、隣り合う両セグメント桁内にそれぞれ埋設する圧縮鋼棒
用角型鋼管の先端を仕切板の圧縮鋼棒用開口内に両側から嵌合して両方の圧縮鋼棒用角型
鋼管の中心が一致する状態で対向させ、この状態で型枠内にコンクリートを打設し、脱型
後に圧縮鋼棒用角型鋼管の突出先端を切除するようにしたことを特徴とする請求項1また
は請求項2に記載のプレキャストコンクリート桁に圧縮PC鋼棒を定着させるバイストレ
ス工法である。
【0008】
 請求項4に記載のものは、前記セグメント桁製造工程において、仕切板を挟んで隣り合
う両セグメント桁を製造する際、隣り合う両セグメント桁内にそれぞれ埋設する圧縮鋼棒
用角型鋼管の対向する端部にロート状の口金をそれぞれ固定し、一方の口金の拡径開口部
を仕切板の一方の面に、他方の口金の拡径開口部を仕切板の他方の面に両方の中心が一致
する状態で当接し、この状態で型枠内にコンクリートを打設することを特徴とする請求項
1または請求項2に記載のプレキャストコンクリート桁の製造工法である。
【0009】
 請求項5に記載のものは、前記セグメント桁製造工程において、仕切板を挟んで隣り合
う両セグメント桁を製造する際、先端に向かって縮径する傾斜案内面を外周に有する位置
決め突起を仕切板の両面に両方の中心が一致する位置に配置し、突起の先端を圧縮鋼棒用
角型鋼管の端部の開口内に嵌合して圧縮鋼棒用角型鋼管を位置決めし、この状態で型枠内
にコンクリートを打設することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプレキャス
トコンクリート桁に圧縮PC鋼棒を定着させるバイストレス工法である。
【0010】
 請求項6に記載のものは、前記セグメント桁製造工程において、仕切板を挟んで隣り合
う両セグメント桁を製造する際、仕切板の一方の面に、先端に向かって先細りとなる位置
決め凸部を成型する雌型を設け、仕切板の他方の面に、底部に向かって幅狭となる位置決
め凹部を成型する雄型を設け、前記雌型と雄型との中心を一致させ、この状態で型枠内に
コンクリートを打設し、
 セグメント連結工程で、隣り合うセグメント桁の端面を密着した状態で、前記した位置
決め凸部と位置決め凹部とが嵌合して両セグメント桁の位置合わせが行われるようにした
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプレキャストコンクリート桁に圧縮P
C鋼棒を定着させるバイストレス工法である。
【0011】
 請求項7に記載のものは、プレキャストコンクリート桁を製作する際に、鉄筋、引張鋼
材用シース、圧縮鋼棒用角型鋼管を型枠内にセットし、この状態で型枠内にコンクリート
を打設して上記部材を埋設する桁製造工程と、
 引張鋼材を引張鋼材用シース内に挿入すると共に、圧縮鋼棒を圧縮鋼棒用角型鋼管内に
挿入し、圧縮鋼棒用角型鋼管の内部に圧縮鋼棒の外周面により区画されたグラウト用空部
を形成するする挿入工程と、
 引張鋼材を緊張して定着する緊張工程と、
 圧縮鋼棒用角型鋼管の内面により座屈防止しながら圧縮鋼棒に圧縮力をかけて定着する
圧縮鋼棒圧縮工程と、
 前記グラウト空部内にグラウト材を注入するグラウト材注入工程と 
 を経て製造することを特徴とするプレキャストコンクリート桁に圧縮PC鋼棒を定着さ
せるバイストレス工法である。
【発明の効果】
【0012】
 請求項1及び請求項2に記載の発明によれば、いずれもセグメント桁を製造した後に、
圧縮鋼棒を圧縮鋼棒用角型鋼管内に挿入するので、圧縮鋼棒がセグメント桁を製造する際
の邪魔になることがないし、また、圧縮鋼棒を圧縮鋼棒用角型鋼管内に挿入する際に、圧
縮鋼棒の雄ねじ部を圧縮鋼棒用角型鋼管の内面で損傷することもない。
【0013】
 請求項3に記載の発明によれば、前記セグメント桁製造工程において、仕切板を挟んで
隣り合う両セグメント桁を製造する際、隣り合う両セグメント桁内にそれぞれ埋設する圧
縮鋼棒用角型鋼管の先端を仕切板の圧縮鋼棒用開口内に両側から嵌合して両方の圧縮鋼棒
用角型鋼管の中心が一致する状態で対向させ、この状態で型枠内にコンクリートを打設し
、脱型後に圧縮鋼棒用角型鋼管の突出先端を切除するので、セグメント桁を接合した時の
圧縮鋼棒用角型鋼管のずれを防止でき、圧縮鋼棒の挿入が容易になる。
4800777-図1,2

4800777-図1,2


4800777-図3

4800777-図3


4800777-図4,5,6,7

4800777-図4,5,6,7


4800777-図8,9

4800777-図8,9


4800777-図10

4800777-図10

技術の一覧